介護テクノロジー導入支援事業とは、介護ロボット・見守り機器・介護記録ソフトなどの導入費用を都道府県が補助する制度で、令和7年度に従来の「介護ロボット導入支援」と「ICT導入支援」が一本化されたものです。補助率は3/4が基本(要件の組み合わせで4/5)、介護記録ソフトは職員数に応じて最大250万円、見守り機器は1台30万円などの上限が設定されています。大阪・八尾で住宅型有料老人ホームと訪問介護・訪問看護を運営する当事者として、制度の中身と「補助金を活かし切る」考え方を解説します。(2026年7月22日時点。要領は都道府県ごとに異なります)
介護テクノロジー導入支援事業とは、介護ロボットや見守り機器、介護記録ソフトなどの導入費用を都道府県が支援する補助金制度です。従来の支援策が統合されたもので、見守り機器は1台あたり上限30万円、介護記録ソフトは職員数に応じて最大250万円が補助上限の目安です。機器の導入だけでなく、賃金への還元や人員体制の効率化など、生産性向上に向けた業務改善計画とあわせて取り組むことが求められます。
制度の全体像(ロボットとICTの一本化)
介護ロボットとICTの導入補助は、現在この事業にまとめられています。以前は「介護ロボットはこっち、記録ソフトはICT補助」と分かれていましたが、令和7年度から一本化され、機器とソフトをまとめて計画する形になりました。国が予算を確保し、窓口・要領は都道府県が担います。
- 対象事業者:介護保険サービスを提供する事業所(施設系・在宅系とも)
- 狙い:職場環境の改善と生産性向上。単なる機器購入ではなく「業務改善の計画」とセット
- 実施主体:都道府県(申請時期・細部の要件は自治体ごとに異なる)

対象機器と補助上限額
上限額は機器の種類で変わります。代表的な区分は次のとおりです(都道府県要領により異なる場合があります)。
| 区分 | 補助上限の目安 |
|---|---|
| 介護記録ソフト(職員1〜10人) | 100万円 |
| 介護記録ソフト(11〜20人/21〜30人/31人以上) | 150万円/200万円/250万円 |
| タブレット等の情報端末 | 1台10万円 |
| 移乗支援・入浴支援機器 | 1台100万円 |
| 見守り機器・その他 | 1台30万円 |
| パッケージ型(機器+ソフト一括) | 400万〜1,000万円(都道府県設定)+業務改善支援45万〜48万円 |
ケアプランデータ連携システムを5事業所以上と実施する場合の加算(5万円)など、連携を促す仕掛けも入っています。「何台・何を・どの順で」を業務改善計画に落とすのが申請の中心作業です。

補助率3/4〜4/5の条件
この制度の補助率は高い代わりに、「生産性向上に本気で取り組むこと」が条件になっています。ポイントは次の3つです。
- 賃金への還元:効率化で生まれた原資を職員の賃金改善につなげる方針を計画に明記する
- 人員体制の効率化:導入とあわせて業務の見直し(夜間の見守り体制など)を実施する
- 研修・データ連携:パッケージ型はデジタル中核人材の養成研修受講、在宅系はケアプランデータ連携の利用開始が求められる(4/5への引き上げ条件も組み合わせで設定)
つまり「買って終わり」を許さない設計です。逆に言えば、日頃から業務改善に取り組んでいる事業所ほど採択されやすい制度と言えます。

大阪府の令和8年度の状況と次への備え
大阪府の令和8年度の申請受付は2026年5月25日〜7月13日で、すでに締め切られています(2026年7月22日時点)。また、令和8年度は「介護テクノロジー活用支援セミナー」の受講・視聴が補助要件とされていました。今年度に間に合わなかった事業所は、次の公募に向けて今から準備しておくのが現実的です。
- ① 業務ごとの時間を測る(記録・見守り・移乗・申し送りに何時間使っているか)
- ② 導入したい機器・ソフトの見積りと優先順位を決めておく
- ③ 賃金還元・体制見直しの方針を言語化しておく(計画書の核になる)
- ④ 府のセミナー等の要件情報を早めに確認する

現場の実感:機器より「使い切る設計」
私たちの現場でも、記録・日報・シフト・食事管理などを次々にデジタル化してきました。その実感として、成否を分けるのは機器の性能ではなく「現場が毎日使う形に業務を作り替えられるか」です。使われない機器は、補助率が4/5でも高い買い物になります。
導入前に「この機器で、誰の、どの30分が浮くのか」を言えるようにする。私たちが介護経営OSで人件費率や業務の数字を毎日見ているのは、この判断を数字でできるようにするためです。記録業務のAI化は介護記録をAIで効率化する方法で、制度全体の比較は介護事業所が使えるAI・ICT補助金まとめで詳しく書いています。

よくある質問
見守りカメラ1台だけでも申請できますか?
制度上は機器単位の申請も可能ですが、業務改善計画とセットが前提です。夜間見守りの体制をどう変えるかまで描くと採択に近づきます。
補助率は必ず3/4になりますか?
いいえ。3/4は賃金還元や体制効率化などの要件を満たす場合で、満たさない場合は1/2などになる区分もあります。都道府県の要領でご確認ください。
大阪府の今年度分はもう申請できませんか?
令和8年度の受付は2026年7月13日で終了しています。追加公募の有無は府の発表次第のため、次回に向けた準備を進めておくのが確実です。
介護記録ソフトはどれを選べばいいですか?
職員が毎日入力できる操作性と、請求・シフトとのつながりで選ぶのが目安です。高機能より「現場が続けられるか」を優先してください。
導入後に義務はありますか?
導入効果の報告や賃金還元の実施状況の確認が求められるのが一般的です。申請時の計画は、実行できる内容で書くことが大切です。
- ロボット・ICT補助は「介護テクノロジー導入支援事業」に一本化。補助率3/4(要件で4/5)と手厚い
- 記録ソフトは職員数で最大250万円、見守り機器は1台30万円など。業務改善計画と賃金還元がセット
- 大阪府の令和8年度受付は終了。次回公募に向けて、業務の時間計測と計画の言語化を今から
「うちの業務はどこをAI化できる?」を、無料で診断。
関連会社の介護・医療の現場とともにAIを内製してきた私たちが、御社の業務のどこをAI化できるかをご提案します。30秒の無料AI診断か、LINEでお気軽に。




