訪問看護記録書の開始・終了時刻とは、その訪問を実際に始めた時刻と終えた時刻のことで、予定の時刻ではありません。厚生労働省の通知は、日々の訪問時間を「実際の指定訪問看護の開始時刻及び終了時刻」として記録し保管するよう求めており、2026年(令和8年)6月の改定では、記録書等に訪問開始時刻と終了時刻等を記載することが改定項目として明記されました。当社は関連会社の訪問看護で、この時刻と記録ソフトの最終更新日時を毎月突き合わせています。
時刻のずれは、理由のボタンを1つ押すだけに
NURSE PARTNERは、カイポケから出した記録時間のファイルを取り込んで時刻を突き合わせ、ずれがあった訪問だけを看護師のスマホに届けます。看護師は理由のボタンを押し、必要な一文をコピーしてカイポケに貼ります。
訪問の時刻は、記録の中でいちばん機械的に確かめられる項目です。そのぶん、運営指導やレセプトの点検でも見られやすい所です。この記事では、通知が求める時刻の中身と、当社が毎月行っている突き合わせのやり方をまとめます。記録チェック全体の流れは訪問看護の記録チェックを「直す」まで回す方法に書いています。
通知が求める「時刻」は3種類ある
訪問看護の記録で出てくる時刻は、混ざりやすいので分けて考えます。
| 時刻 | 中身 | 根拠 |
|---|---|---|
| 実際の開始・終了時刻 | その訪問を始めた時刻と終えた時刻。記録して保管する | 保発0305第19号 第4の6 |
| 実施に要した時間 | 毎回の訪問で記録書に記入する事項の1つ | 同 第4の6 |
| 訪問に要した時間 | 移動の時間。特別地域訪問看護加算を算定する場合に限って記入 | 同 第4の6 |
2026年6月の改定説明では、「適正な訪問看護の推進」として、記録書等に訪問開始時刻と終了時刻等を記載することが明記されました。これまでも通知の記録事項から読み取れた内容ですが、改定項目として示されたことで、点検の根拠として直接引けるようになりました。

予定の時刻を書いたままにしない
記録ソフトには、訪問予定の時間帯と、実施した時間帯の2つの欄があることが多いはずです。カイポケから出せる記録時間のファイルにも「訪問予定日」と「実施日」の時間帯が並んでいます。
通知が求めるのは実際の開始時刻と終了時刻です。予定が14時30分から15時でも、訪問が14時40分から15時10分だったなら、実施の欄はその時刻にします。当社のファイルでも、予定と実施の時間帯が違う行がありました。予定を変えずに実施だけが前後した訪問です。点検では、どちらの欄を見ているのかを最初に決めておかないと、判定がずれます。
記録の最終更新日時との突き合わせ
当社は、訪問の時刻に加えて、カイポケの「最終更新日時」も見ています。訪問が終わる前の時刻になっている場合、訪問中や訪問前に書いた記録の可能性があるためです。ただし、この項目が最初の保存・確定・最後の編集のどれを指すかは、記録ソフトの仕様を確かめられていません。
判定の決まりは次のとおりです。
- 最終更新日時が、訪問の終了時刻より後なら、この時刻の比較では確認の対象にしない(記録の中身や算定まで問題なしと判定するものではない)。
- 最終更新日時が、訪問の終了時刻と同時か前なら、確認の対象にする。
- 判定は秒の単位で行い、表示だけを分に丸める。分に丸めてから判定すると、終了の数秒後の正常な記録が「同時」に化けるためです。
後日に記録を直すと最終更新日時が後ろにずれ、訪問中に書いた記録が確認の対象から外れて見えることがあります。当社はこの限界を点検の報告に書いたうえで使っています。

ずれが見つかったときの直し方
時刻のずれには、正当な理由があるものも多くあります。たとえば、訪問の予定が当日に前倒しになった場合です。当社は、ずれのあった訪問をひとつずつ看護師に届け、理由を選んでもらう形にしています。理由を書かずにずれだけを指摘すると、看護師にとっては責められているように感じられ、直す手が止まるからです。
理由が分かったら、前の記録は消さずに、追記の日付と記載者を入れて事実を足します。終了時刻が開始時刻より前になっている行(入力の誤り)は、看護師の画面では「時刻の入力誤り」と表示し、正しい時刻に直してもらいます。こうした行は機械で計算すると大きなマイナスの値になり、そのまま見せると混乱するためです。

点検で間違えやすい4つの形
| 形 | 当社の扱い |
|---|---|
| 終了時刻が日をまたぐ(23時40分〜0時10分など) | 終了を翌日として計算する |
| 予定と実施の時間帯が違う | 実施の時間帯で見たうえで「予定変更の可能性」と添えて目視する |
| 最終更新日時が空 | 記録が未確定の可能性。看護師ではなく主任・事務の確認に回す |
| 同じ訪問の行が完全に同じ内容で重なっている | 突き合わせは1行に畳み、重複の登録がないかを事務が記録ソフトの画面で確かめる |
同じ内容の行が重なっているときは、突き合わせでは1行に畳み、記録ソフトの画面で重複の登録がないかを事務が確かめます。レセプトの側の点検は訪問看護のレセプト業務をAIで効率化にも書いています。
自社で点検するときの手順
①記録時間のファイルを月ごとに出す——ファイルは公開されない場所で扱い、どの利用者の何月分かを確かめてから点検します。②「実施」の行だけを見る——予定だけの行は記録がないので対象外です。③終了時刻と最終更新日時を秒で比べる——Excelでも計算できます。④ずれは理由と一緒に本人へ——表で一括に渡さず、ひとりずつに届けます。訪問の長さ(20分未満)の点検は医療保険の同一建物訪問(基本療養費Ⅱ)は20分未満を算定できないで続けて扱います。
よくある質問
訪問看護記録書には、予定の時刻と実際の時刻のどちらを書きますか?
訪問した時刻(実績)を書きます。予定の枠から前後した日は、実施の欄を訪問した時刻に直します。根拠は留意事項の通知(保発0305第19号)の第4の6です。
2026年6月の改定で、時刻について何が変わりましたか?
「適正な訪問看護の推進」として、記録書等に訪問開始時刻と終了時刻等を記載することが改定項目に明記されました。通知の記録事項から読み取れた内容が、改定の説明で正面から示された形です。
最終更新日時が訪問の終了より前だったら、すぐに問題になりますか?
すぐに問題と決めつけず、確認の対象にします。最終更新日時の意味は記録ソフトの仕様によるため、時刻だけで判断しません。予定が当日に変わった、実施の時刻の入力を誤ったなど、正当な理由もあるためです。当社は看護師に理由を選んでもらい、事実を追記してもらいます。
時刻の点検はExcelでもできますか?
できます。記録ソフトから出したファイルの「実施」の行について、終了時刻と最終更新日時を秒の単位で比べれば、確認の対象を選べます。日をまたぐ訪問と、予定と実施が違う行の扱いだけ先に決めておくと、判定がぶれません。
移動の時間も記録が必要ですか?
通知では、訪問に要した時間(移動の時間)は特別地域訪問看護加算を算定する場合に限って記入するとされています。それ以外の訪問では、実施に要した時間と実際の開始・終了時刻を記録します。(2026-10-14 時点の情報。出典:近畿厚生局「訪問看護記録書等の『記録』に関する規定について」(保発0305第19号)・厚生労働省保険局医療課 令和8年度改定資料)
- 記録するのは予定ではなく実際の開始・終了時刻。2026年6月改定で「記録書等に訪問開始時刻と終了時刻等を記載」が改定項目に明記された。
- 当社は、訪問の終了時刻とカイポケの最終更新日時を秒の単位で比べ、終了と同時か前の記録を確認の対象にしている(最終更新日時の意味は仕様未確認=限界を報告に書く)。
- ずれは理由と一緒に看護師ひとりずつへ届け、前の記録を消さずに事実を追記してもらう。日またぎ・予定変更・未確定・重複の4つの形は先に扱いを決めておく。
時刻の突き合わせを毎月回したい方へ
NURSE PARTNERの画面をお見せしながら、記録時間のファイルの取り込みから確認カードまでをご案内します。利用者さんの名前や記録の中身は送らないでください。


