真皮を越える褥瘡の特別管理加算の記録とは、別表第8の「真皮を越える褥瘡の状態にある者」に特別管理加算を算定するときに、訪問看護記録書へ残すことが通知で決められている記録のことです。通知(保発0305第19号 第5の3(3))は、1週間に1回以上、深さや滲出液、ポケットなど7つの項目で褥瘡の状態を観察・アセスメント・評価し、褥瘡の発生部位と実施したケアを訪問看護記録書に記録することを求めています。当社は関連会社の訪問看護の記録点検で、この5つの軸を確かめています。
週1回の観察が抜けた週を、カードで知らせる
NURSE PARTNERは、記録の決まりに沿って点検し、足りない所を看護師ごとの確認カードにして届けます。特別訪問看護指示書の期間中は「特指示中」の印がカードにも出ます。足す一文はコピーしてカイポケに貼るだけです。
対象:医療保険の訪問看護。褥瘡の特別管理加算の記録について、訪問看護療養費の通知・運営基準をもとに書いています(介護保険の訪問看護は、介護保険の基準を別に確かめてください)。
褥瘡のケアは毎回の訪問で行っていても、記録では「処置実施」「変化なし」だけになりやすい所です。特別管理加算を算定しているなら、算定の根拠が記録から読めることが欠かせません。この記事では、通知の原文に沿って記録の軸を整理し、当社の点検で抜けやすかった所をまとめます。
通知が求める記録の5つの軸
通知の文を、当社では点検の軸として5つに分けています。
| 軸 | 中身 |
|---|---|
| ①頻度 | 1週間に1回以上、観察・アセスメント・評価を行う |
| ②7項目 | 深さ、滲出液、大きさ、炎症・感染、肉芽組織、壊死組織、ポケット |
| ③発生部位 | 褥瘡がどこにあるか |
| ④実施したケア | その日に何をしたか(洗浄、被覆材の交換、体位の工夫など) |
| ⑤記録先 | 訪問看護記録書に記録する |
①の頻度は、1回の記録ではなく週ごとに見る軸です。毎回の記録が丁寧でも、7項目の評価が入った記録が1週間に1回もない週があれば、要件を満たしているとは言いにくくなります。

7項目とDESIGN-R®2020の関係
通知が挙げる7項目(深さ、滲出液、大きさ、炎症・感染、肉芽組織、壊死組織、ポケット)は、日本褥瘡学会の褥瘡状態評価スケールDESIGN-R®2020の7項目と対応しています。DESIGN-R®2020は、深さにDTI(深部損傷褥瘡)疑い、炎症・感染に臨界的定着疑いが加えられた改定版です。
ただし、通知がDESIGN-R®2020の様式や点数での記録を求めているわけではありません。通知が求めているのは7項目の観察・アセスメント・評価です。DESIGN-R®2020を使って記録すれば7項目を漏れなく見られる、という関係です。また、通知は褥瘡のアセスメントの記録について、参考様式「褥瘡対策に関する看護計画書」を踏まえて記録するよう示しています。
記録先は計画書ではなく記録書
見落としやすいのが⑤の記録先です。通知は「訪問看護記録書に記録すること」としています。褥瘡対策の看護計画書に評価を書いていても、毎週の観察と実施したケアが訪問看護記録書から読めなければ、記録の要件としては足りません。
当社の点検では、計画書と記録書の両方を見て、記録書の側に週1回以上の7項目の記載があるかを確かめています。褥瘡の計画を含む計画書・報告書の書き起こしは、訪問看護の計画書・報告書をAIで下書きするを参考にしてください。

点検で抜けやすい所
当社の点検で、褥瘡の記録で抜けやすかったのは次の所です。
- 7項目の一部だけ——大きさと滲出液は書いてあるが、ポケットや壊死組織に触れていない。
- 部位が書かれていない——「褥瘡処置」とだけあり、仙骨部なのか踵なのかが分からない。
- 「処置実施」で終わる——何をしたかが書かれていない。
- 評価がない——前回より良いのか悪いのかが書かれていない。評価の書き方はSOAPのA(評価)の書き方で書いています。
直すときは、前の記録を消さず、追記の日付と記載者を入れて、その日に観察した事実だけを足します。観察していない項目を後から観察済みとして埋めることはできません。その週に観察した事実があるかを確かめ、算定の扱いは事務と主任が判断します。次の訪問からは7項目を通して観察します。

特別訪問看護指示書が出ている間
真皮を超える褥瘡の状態の方には、特別訪問看護指示書を月2回まで交付できます(1回の有効期間は14日間で、2回分で28日間)。指示書の期間中は、頻回に訪問する理由を記録書に書くことも求められます。期間の数え方と記録は特別訪問看護指示書の期間(14日・診療日から)を記録のたびに探さないで詳しく書きました。
そのほかの処置の記録
特別管理加算の対象になるほかの処置でも、考え方は同じです。当社の点検では、関連会社の看護部がまとめた基準をもとに、処置ごとに記録で確かめる内容を決めています。
| 処置・状態 | 記録で確かめる内容(例) |
|---|---|
| 留置カテーテル | 種類、尿量、尿の性状、閉塞、漏れ、発赤、感染の兆候 |
| 在宅酸素 | 酸素の流量、使用時間、SpO2、呼吸苦、努力呼吸、チアノーゼ |
| 胃瘻・経管栄養 | 栄養剤の名前と量、注入時間、瘻孔周囲、逆流・嘔吐・下痢 |
| 点滴 | 指示書、薬剤名と量、投与時間、刺入部、副作用、終了後の報告 |
| ストーマ | 皮膚の状態、排泄の状況、漏れ、装具の交換、トラブルの有無 |
在宅患者訪問点滴注射管理指導料にかかる場合は、点滴注射の指示書を訪問看護記録書に添付し、実施内容を記録することも通知で求められています。
よくある質問
真皮を越える褥瘡で特別管理加算を算定するとき、記録に何が必要ですか?
週に1回以上、7項目(深さ・滲出液・大きさ・炎症/感染・肉芽組織・壊死組織・ポケット)で状態を観察・評価し、どこにできているかと、行ったケアを訪問看護記録書に残します(保発0305第19号 第5の3(3))。
DESIGN-R®2020で記録しなければいけませんか?
通知がDESIGN-R®2020の様式や点数での記録を求めているわけではありません。通知が挙げる7項目はDESIGN-R®2020の7項目と対応しているため、DESIGN-R®2020を使うと漏れなく観察しやすい、という関係です。
褥瘡の評価は、看護計画書に書いておけばよいですか?
通知は訪問看護記録書に記録するよう求めています。褥瘡対策の看護計画書は、アセスメントの記録で踏まえる参考様式として示されていますが、毎週の観察と実施したケアは訪問看護記録書から読めるようにしておく必要があります。
毎回の訪問で7項目すべてを書く必要がありますか?
通知が求める頻度は1週間に1回以上です。当社は週ごとに、7項目を通して観察・評価した記録が少なくとも1回あるかを確かめています。毎回の訪問では、部位と実施したケア、前回からの変化を書くようにしています。
点検で7項目が足りない週が見つかったら、どうしますか?
観察していない項目を後から観察済みとして埋めることはできません。足せる事実だけを追記の日付と記載者を入れて足し、その週の算定の扱いは事務と主任が確かめます。次の訪問からは7項目を通して観察してもらいます。(2026-10-14 時点の情報。出典:近畿厚生局「訪問看護記録書等の『記録』に関する規定について」(保発0305第19号 第5の1(2)ウ・第5の3(3)(4))・日本褥瘡学会「改定DESIGN-R®2020 コンセンサス・ドキュメント」)
- 真皮を越える褥瘡の特別管理加算は、週1回以上・7項目の観察と評価・発生部位・実施したケアを訪問看護記録書に記録する。
- 7項目はDESIGN-R®2020と対応するが、通知が様式や点数を求めているわけではない。記録先は計画書ではなく記録書。
- 抜けやすいのは7項目の一部・部位・「処置実施」だけの記録・評価。観察していない項目は後から埋めず、その週の算定の扱いは事務と主任が確かめる。
加算の記録の点検を仕組みにしたい方へ
NURSE PARTNERの画面をお見せしながら、確認カードと「特指示中」の印の流れをご案内します。利用者さんの名前や記録の中身は送らないでください。


