緊急訪問と電話の対応の記録とは、利用者や家族からの電話などに応じて看護に関する意見を伝えた場合や、緊急に訪問した場合に、訪問看護記録書へ残す記録のことです。通知(保発0305第19号)は、緊急訪問看護加算でも24時間対応体制加算でも、「その日時、内容及び対応状況」を訪問看護記録書に記録するよう求めています。看護師等以外の職員が受けた連絡も、保健師または看護師に伝えて記録に残すこととされています(24時間対応体制加算)。当社は関連会社の訪問看護の記録点検で、この3点がそろっているかを確かめています。
電話対応・緊急訪問の記録も、確認カードで見直す
NURSE PARTNERは、記録の点検で足りない所を看護師ごとの確認カードにして届けます。足す一文はコピーしてカイポケに貼るだけ。看護主任は、だれのどこが残っているかを一目で見られます。
対象:医療保険の訪問看護。電話対応と緊急訪問の記録について、訪問看護療養費の通知・運営基準をもとに書いています(介護保険の訪問看護は、介護保険の基準を別に確かめてください)。
夜間や休日の電話対応は、その場では対応できていても、翌日にはどう対応したかの記録が薄くなりがちです。この記事では、通知の原文に沿って電話と緊急訪問の記録の3点を整理し、当社が点検の決まりを直したときの反省もあわせてまとめます。オンコールの負担を軽くする話は訪問看護のオンコール対応をAIで|電話の記録と申し送りを軽くするに書いています。
記録するのは「日時・内容・対応状況」の3点
| 項目 | 書くこと(例) |
|---|---|
| 日時 | 電話を受けた時刻、訪問した時刻 |
| 内容 | だれから、どんな相談・症状だったか |
| 対応状況 | 電話で伝えたこと、訪問したか、主治医に連絡したか、その後どうなったか |
「電話あり。対応済み」だけでは、3点のうち日時しか読めません。だれが・何を・どう対応したかが、あとから読んだ人に分かることが目安です。

緊急訪問看護加算と24時間対応体制加算の違い
2つの加算は、記録の3点は同じでも、対象になる場面が違います。
| 加算 | 記録の場面 | 通知の該当箇所 |
|---|---|---|
| 緊急訪問看護加算 | 利用者や家族からの電話などによる緊急の求めに応じて、主治医の指示により緊急に訪問した場合 | 第2の7(4) |
| 24時間対応体制加算 | 電話などで看護に関する意見を求められて対応した場合・緊急に訪問した場合 | 第5の2(1)エ・(2)エ |
電話だけで対応し、訪問しなかった場合も、24時間対応体制加算の記録としては3点を残します。訪問しなかったことも「対応状況」の一部です。
看護師以外が電話を受けたとき
24時間対応体制加算の通知では、看護師等以外の職員が電話などで連絡や相談を受けた場合は、保健師または看護師へ報告し、報告を受けた保健師または看護師がその報告内容などを訪問看護記録書に記録することとされています。
事務の職員が夜間の電話を受ける体制なら、「だれが受けて、どの看護師に、いつ報告したか」が記録に残るように決めておきます。当社でも、受けた人と記録する人が違う場面で、記録が抜けやすいことが分かっています。

「対応状況」が抜けやすい
気をつけたいのは、日時と内容は書いてあるのに、対応状況が書かれていない記録です。電話で何を伝えたのか、主治医に連絡したのか、訪問したのか、翌日まで様子を見ることにしたのか。対応状況が分からないと、その判断が適切だったかを説明できません。
見本(架空の例)を示します。
| 前 | 後(見本) |
|---|---|
| 22時 家族より電話。対応済み。 | 【受けた日時】に【相談者】から【相談の内容】の連絡。【電話で確かめた状態】を確認し、【実際に伝えた内容】を伝えた。訪問は【有無・行った対応】。主治医への報告は【有無・日時・内容/しなかった場合はその理由】。 |
【 】には、その日に確かめた事実だけを書きます。確かめていない内容や、していない対応は書き足しません。足すときは追記の日付と記載者を入れて、前の記録を消さずに足します。

同じ日に2回以上訪問したとき
緊急訪問で、同じ日に2回以上訪問することがあります。この場合、2回目の訪問の時刻と実施内容が記録から分かることが、レセプトの点検でも見られます。夜間・深夜・早朝の区分も、記録から確かめられるようにしておきます。時刻の点検は訪問看護記録書の開始・終了時刻の書き方と点検で書いています。
別の加算の要件を混ぜない
当社が点検の基準を一次資料で見直したとき、反省点が1つありました。以前は、緊急訪問看護加算の記録の要件に「看護師以外が電話対応した場合は看護師への報告と記録」を含めていました。しかし通知の原文を読み直すと、それは24時間対応体制加算の要件で、緊急訪問看護加算の記録の要件は「日時・内容・対応状況」の3点でした。もとにしていた解説記事だけでは気づけなかった食い違いです。
今は、点検の基準のもとを厚生局が公開している通知の抜粋にそろえ、加算ごとに要件を分けています。算定していない加算の要件で指摘を出すと、看護師に余計な手間をかけるので、事業所が算定している加算だけを点検に入れています。記録チェック全体は訪問看護の記録チェックを「直す」まで回す方法にまとめています。
よくある質問
緊急訪問看護加算を算定するとき、記録に何が必要ですか?
通知(保発0305第19号 第2の7(4))では、利用者や家族からの電話などによる緊急の求めに応じて、主治医の指示により緊急に訪問した日時、内容、対応状況を訪問看護記録書に記録することとされています。
電話だけで対応して訪問しなかった場合も、記録が必要ですか?
24時間対応体制加算では、電話などで看護に関する意見を求められて対応した場合も、その日時、内容、対応状況を訪問看護記録書に記録することとされています。訪問しなかったことも対応状況の一部として書きます。
事務の職員が夜間の電話を受けた場合は?
受けた職員は保健師または看護師へ伝え、伝えられた側がその内容を記録書に残します(24時間対応体制加算の要件)。夜間に事務が電話を受ける体制なら、受けた人・伝えた相手・伝えた時刻が記録に残るよう、手順を先に決めておくと抜けが減ります。
電話対応の記録で、特に気をつけたいのは何ですか?
「対応状況」です。電話で何を伝えたか、主治医に連絡したか、訪問したか、様子を見ることにしたかが書かれていないと、判断が適切だったかを説明できません。
同じ日に2回訪問したときは、何に気をつけますか?
2回目の訪問の時刻と実施内容が記録から分かるようにします。夜間・深夜・早朝の区分も記録から確かめられることが、レセプトの点検でも見られます。(2026-10-14 時点の情報。出典:近畿厚生局「訪問看護記録書等の『記録』に関する規定について」(保発0305第19号 第2の7(4)・第5の2(1)エ・(2)エ))
- 電話の対応も緊急訪問も、訪問看護記録書に「日時・内容・対応状況」の3点を残す。
- 看護師等以外が電話を受けたら保健師または看護師へ報告し、報告を受けた人が記録する(24時間対応体制加算)。対応状況まで書く。
- 加算ごとの要件を混ぜない。点検の基準は通知の原文にそろえ、算定している加算だけを点検に入れる。
電話対応・緊急訪問の記録も、見直せる形に
NURSE PARTNERの画面をお見せしながら、確認カードと主任の画面の流れをご案内します。利用者さんの名前や記録の中身は送らないでください。


