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訪問看護の記録

訪問看護の新人の記録指導|口でくり返さず、本人の記録の一文で返す

利用者の部屋の入口で、室内の高齢の女性にあいさつする訪問看護師(関連会社3SMILEの訪問看護の撮影より)言い方をそろえて、本人の記録で返す。
監修:生嶋(関連会社3SMILE 統括部長・救急・ICU・訪問看護の経験)。この記事は、生嶋の監修のもと、吉村 貴成(株式会社SECRET MEDICINE 代表取締役)ほか、関連会社の訪問看護の記録点検に関わる現場スタッフの知見をもとに、新人の記録指導をまとめています。新人の記録指導の制度の部分は、厚生労働省・厚生局の公開資料で確かめています(2026-10-14)。

訪問看護の新人の記録指導とは、新人が書いた本人の記録を材料にして、足りない所と、足すとよい一文を返し、次の記録で同じ抜けが出ていないかを見ていく指導のことです。書き方の一般論を何度も口で伝えるより、「この日の、この利用者の記録の、ここ」を本人に返すほうが、何を直すかがはっきりします。この記事では、当社が関連会社3SMILEの訪問看護で使っている返し方をまとめます。

新人の記録に、足す一文つきのカードを

NURSE PARTNERは、記録の点検で見つかった所を、利用者・訪問日ごとの確認カードにして看護師本人のスマホへ返します。主任は、だれのどこが何日残っているかを一覧で見られます。点数や順位は画面に出しません。

訪問看護では、新人が1人で訪問するようになると、記録を書くのも1人になります。同行の時期のように、その場で横から教えることはできません。主任や先輩が記録をあとで読み、足りない所を伝える形になりますが、伝え方は人によって少しずつ違います。

口でくり返す指導が、続かない理由

3つとも、新人や指導する人の努力の問題ではなく、返し方の形の問題です。

本人の記録で返す、4つの決まり

当社は、新人に限らず全員に、次の決まりで返しています。

決まり中身
人×利用者×訪問日で返す「あなたの、この利用者の、この日の記録」に1枚ずつ分ける。表をまとめて渡さない
足りない所と、足す一文を並べる何が足りないかだけでなく、足すとよい一文の形を見せる。その日の事実で埋める所は【 】で空ける
前の記録は消さずに足す追記した日付と記載者を入れて、その日の事実だけを足す
直したら本人が知らせる主任が一人ずつ聞いて回らなくても、残りが数で見えるようにする(本人の報告で、記録ソフトの中身までは確かめない)

文例は気づくための例です。観察していないことや、していない報告を書き足すために使うことはしません。新人には最初に、ここを一番はっきり伝えます。

指導で取り上げやすい4つの所

当社の点検の項目のうち、書き方の考え方に関わり、新人の指導で取り上げやすいのは次の4つです(多い・少ないを数えたものではありません)。

  1. S 欄が空:本人の訴え、または聞き取れなかった理由を書く。言葉はそのまま残す
  2. 値だけで評価が無い:基準を外れた値に、どう判断し、次に何をするか(再測定・報告)を書く
  3. A・P 欄が前回と同じ文:その日の観察から判断したことを書く。考え方はSOAPのA(評価)が空になる理由と書き方と「漫然・画一的」と言われない訪問看護記録に書いています
  4. 続いている所見の報告:前回から続く所見に、主治医へ報告したか、しない理由を書く
事務所で書類を見ながら話す職員2人
指導は「どの記録の、どこ」を一緒に見るところから(関連会社3SMILEの施設で撮影)

返し方の例(見本)

以下は説明のために作った見本で、実在の利用者の記録ではありません。

元の記録返す内容
BT 37.8℃。様子観察。足りない所:外れた値への評価と次の行動。
足す一文の例:37.8℃のため、【 】時に再検温し【 】℃。【本人の訴え・症状】。【主治医・管理者への報告の有無】。
A)状態安定。P)継続。(前回と同じ文)足りない所:その日の判断。
足す一文の例:本日の観察(【 】)から【 】と判断した。次回は【 】を確認する。
S 欄が空足りない所:本人の言葉、または聞き取れなかった理由。
足す一文の例:S)「【本人の言葉】」/本日は傾眠のため聞き取りできず。

例の言葉は形の見本です。【 】だけでなく文全体をその日の事実に合わせ、していないこと(再検温・報告など)や当てはまらないことは消します。【 】を埋められないときは推測で埋めず、主任に相談して、確かめられた事実だけを書きます。新人が迷いやすいのは、埋められないときにどう書くかです。ここを例で見せると、指導の言い方がそろいます。

看護師のスマートフォンの確認カードのデモ。足りない所と足す一文、コピーするボタンが並ぶ
確認カード(デモ・名前はすべて架空)。足す一文をコピーして記録ソフトに貼る

主任が見るのは、点数ではなく残り

当社は、記録を「点を取る物」にしないために、看護師の点数や順位を画面に出さず、主任の画面には「残っているカードの数」と「何日そのままか」を出しています。カードの「直した」は本人の報告で、記録ソフトの中身までは確かめないため、主任による記録の確認や指導の代わりにはなりません。長く止まっている人には、責めるのではなく、どこで迷っているかを聞きに行きます。直した人には、それを伝えます。

記録の点検で見る項目の全体は訪問看護記録書Ⅱの点検表、点検から直すまでの流れは訪問看護の記録チェックを「直す」まで回す方法にまとめています。

よくある質問

新人の記録は、全部を主任が読むべきですか?

最初のうちは読むことが多いはずです。当社は、点検で足りない所が見つかった記録をカードにして本人に返し、主任は残りと日数を見る形にしています。カードの「直した」は本人の報告なので、必要な記録の確認や指導は、これまでどおり主任が行います。

文例をそのまま貼らせてよいですか?

文例は気づくための例です。文全体をその日の事実に合わせ、していないことは消します。【 】を埋められないときは推測で埋めず、主任に相談して、確かめられた事実だけを書きます。

指摘が多い新人に、どう声をかけますか?

当社は数や点数で比べず、何日そのままかを見て、長く止まっている所から一緒に見ます。どの書き方で迷っているかが分かれば、同じ例を全員に共有できます。

新人だけに使う仕組みですか?

いいえ。当社は全員の記録に同じ決まりで返しています。新人だけに返すと、新人には「自分だけ見られている」と受け取られやすいからです。

この記事のまとめ

管理者・主任の方へ:記録の「直して」を、言いっぱなしにしない

NURSE PARTNERは、記録の点検で見つかった所を確認カードで本人に返し、主任は残りと日数を一覧で見られます。導入費150,000円・月額25,000円〜(税別・看護師の人数と施設の数で見積もり)。お問い合わせのフォーム・LINE には、利用者さんの名前や記録の中身を送らないでください。

記録の「直して」が、言いっぱなしで終わらない。点検で見つかった所を書いた本人に返し、主任は残りと日数を見る。