家賃の分別管理とは、管理会社がオーナーのために受け取った家賃・敷金・共益費などのお金を、自社のお金や、ほかのオーナーとの契約のお金と分けて管理することです(賃貸住宅管理業法 第16条)。国土交通省の考え方では、①家賃などを入れる口座を、自社のお金の口座と分けることと、②どのお金がどの管理受託契約のものかを、帳簿や会計ソフトですぐに分かるようにすることの、両方が要ります。
家賃を預かる管理会社にとって、分別管理は一番大事な守りの1つです。法第16条に反すると、業務停止の命令の対象にもなります。口座の分け方と帳簿の付け方を、小さな会社の実務に合わせて書きます。
口座は「家賃の口座」と「自社の口座」
家賃・敷金などを受け取る口座と、管理会社自身のお金(管理料を受け取ったあとのお金、給料や家賃の支払いなど)の口座を、別に開きます。
- 家賃などの口座は、少なくとも1つにまとめて、自社の口座と分ければ足りるとされています
- オーナーごと・契約ごとに口座を作ることまでは求められていません
- 口座の名前に「預り口」などを付けて、家賃などの口座だと分かるようにしておくと、取り違えが減ります

帳簿で、契約ごとに分ける
家賃の口座を1つにまとめた場合、口座の中ではオーナーのお金が混ざっています。そこで帳簿や会計ソフトで、入ったお金・出たお金を管理受託契約ごとに分けて記録し、「この口座の今の残高のうち、どのオーナーの分がいくらか」をすぐに答えられる状態にします。
| 記録すること | 例 |
|---|---|
| 入ったお金 | 日付・入居者・部屋・対象の月・額・どのオーナー(契約)の分か |
| 出たお金 | オーナーへの送金・修繕の支払い・管理料の受け取り(自社の口座へ移す) |
| 預かったまま | 敷金・保証金、まだだれの分か分からないお金(仮受金) |
よくある混ざり方
- 管理料を家賃の口座に置いたままにして、自社の支払いもその口座から出す
- だれの分か分からない入金を、とりあえず一番近いオーナーの送金に入れる(振込名義が違う入金)
- 敷金を受け取ったまま、どの契約の分かを書いていない
- 家賃の口座の明細と帳簿を、月に一度も照らしていない
毎月の確かめ方
月の締めで、家賃の口座の残高と、帳簿の「オーナーごとの預かり+敷金など+仮受金」の合計が合うかを見ます。合わなければ、入金の当て漏れ・送金の書き漏れ・管理料の移し忘れ・手数料の記録漏れなどを見ます。日々の入金は、通帳の残高の差と、その期間の入金の合計−出金の合計で照らします(家賃の入金消込の3つの手順)。

OWNER LINK では、通帳の入金を部屋・入居者・オーナーにひも付けて当て、だれの分か分からないお金は仮受金にして送金に混ぜません。敷金・保証金は預り金として部屋ごとに記録します。口座を分けることや、会計の帳簿そのものは、貴社の口座と会計ソフトで行ってください(2026年11月時点)。
よくある質問
オーナーごとに口座を作らないといけませんか?
いいえ。家賃などの口座を自社の口座と分けたうえで、帳簿や会計ソフトで契約ごとにすぐ分かるようにしていれば、オーナーごとの口座までは求められていません。
管理料は、いつ自社の口座に移せばよいですか?
管理受託契約で決めた時期に、送金明細で差し引いた管理料を自社の口座へ移します。移したことを帳簿に残し、家賃の口座に自社のお金を置いたままにしないでください。
登録していない会社も分別管理が必要ですか?
法の義務は登録した賃貸住宅管理業者にかかります。登録前でも、オーナーのお金を預かる以上、同じように分けておくのが安全です。
出典:国土交通省「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律の解釈・運用の考え方」https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/content/001474894.pdf / 国土交通省「管理業者の業務」https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/pm_portal/administrator_duties.html(2026年11月1日に確認)
- 家賃などの口座と、自社の口座を分ける(オーナーごとの口座までは要らない)
- 帳簿や会計ソフトで、どの契約のお金かをすぐに分かるようにする
- 月の締めで、口座の残高とオーナーごとの預かりの合計を照らす
入金を契約ごとに当てる画面を、お見せします
架空のデータの画面でご案内します。通帳の画像など、入居者さまの情報が入ったものは送らないでください。



