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法令と経営

賃貸住宅管理業法の定期報告|管理業務報告書に書くこと

公開 2026.11.01

管理会社の担当者が、オーナーに渡す年次の報告書を机でめくって確かめている(AIで生成したイメージ)1年分を思い出して作らない。毎月の記録から作る。AIで生成したイメージ
監修:吉村 貴成(株式会社SECRET MEDICINE 代表取締役)。不動産の売買・賃貸の管理を自社で行い、OWNER LINK を自社の管理でテストしながら作っています。法令・税は公開資料で確かめ、管理の手順は運営会社の自社の管理の運用から書いています(2026-11-01)。

賃貸住宅管理業法の定期報告とは、登録した賃貸住宅管理業者が、管理を任されたオーナー(委託者)に、管理業務の状況を書いた「管理業務報告書」を渡して説明することです(法第20条)。管理受託契約を結んだ日から1年を超えない期間ごとと、契約の期間が終わったあと遅滞なく行います。書く中身は、少なくとも報告の対象の期間・管理業務の実施状況・入居者からの苦情の発生状況と対応状況です。

毎月の記録から、年1回の報告を作る形をご一緒に考えます

オーナーの数と、今の報告の出し方(紙・メール・送金明細に添えるなど)を教えてください。

定期報告は、賃貸住宅管理業法の登録をした会社の義務です。国土交通省の立入検査でも、この報告の義務に反していた例が挙がっています。年に1回の作業ですが、1年分を思い出しながら作ると重くなります。毎月の記録の残し方から考えます。

だれが、いつ報告するか

オーナーごとに契約の日が違うので、「どのオーナーに、いつまでに出すか」の一覧を最初に作っておくと漏れません。

管理会社の担当者が、オーナーに印刷した報告書を説明している(AIで生成したイメージ)
報告書は渡すだけでなく、説明する(AIで生成したイメージ)

管理業務報告書に書くこと

項目中身の例
報告の対象の期間2025年11月1日〜2026年10月31日 など
管理業務の実施状況家賃などのお金の受け取りの状況(月ごとの入金・未入金)、点検・清掃・修繕など維持保全の実施状況
入居者からの苦情の発生状況と対応状況いつ・どの部屋から・どんな内容が来て、どう対応したか(苦情が無かった月も、無かったと書く)

これは法令で求められる最低限の項目です。国土交通省の考え方では、報告の中身によっては、もっと短い間隔で報告することが望ましいとされています。

毎月の送金明細だけでは足りない

毎月の送金明細を送っていれば報告は済んでいる、と考えがちですが、送金明細は家賃と送金額の明細です。維持保全や苦情の状況が書かれていなければ、管理業務報告書の中身を満たしません。送金明細に報告書の項目を書き足して兼ねることはできますが、その場合も3つの項目を全部書きます(オーナー送金明細の作り方・オーナーへの月次報告書)。

メールやPDFで渡すとき

書面の代わりにメールやPDFで渡すこともできます。ただし、前もって、どの方法(メール・ファイルの形など)で渡すかを示して、書面か電子の方法でオーナーの承諾をもらう必要があります。電子で渡すときも、中身の説明は要ります。オーナーが「電子ではなく紙で」と申し出たら、紙に戻します。電子で渡したときは、あとで食い違いが起きないよう、渡した報告書のデータを保存しておきます。

管理会社の担当者が、印刷した明細を封筒に入れている(AIで生成したイメージ)
紙で渡すか電子で渡すかは、オーナーの承諾で決める(AIで生成したイメージ)

年1回を楽にする毎月の記録

報告書は、1年分の記録を集めれば作れます。次の3つを、毎月同じ形で残しておきます。

  1. お金:オーナーごと・月ごとの入金・未入金・送金額(締めた月の数字を残す)
  2. 維持保全:点検・清掃・修繕の日と中身、業者、費用
  3. 苦情:受けた日・部屋・内容・対応・終わった日(電話で受けたものも書く)

OWNER LINK では、締めた月の入金と送金明細の控え、入居者の公式LINEで受けた問い合わせと、LINE・電話・書面で受けた退去の記録が残ります。管理業務報告書を作る画面は、まだありません(2026年11月時点)。報告書は、これらの記録から貴社の書式で作ってください。

よくある質問

登録していない(200戸未満の)会社も定期報告が必要ですか?

法の定期報告の義務は、登録した賃貸住宅管理業者にかかります。登録していない会社でも、オーナーとの信頼のために同じ形で報告しておくと、200戸に届いて登録するときの備えになります。

苦情が1件もなかった年は、どう書きますか?

「報告の対象の期間に、入居者からの苦情はありませんでした」と書きます。項目そのものを省かないでください。

決まった書式はありますか?

法令で決まった様式はなく、3つの項目が入っていれば各社の書式で構いません。国土交通省の資料や、業界団体の書式例も参考になります。

出典:国土交通省「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律の解釈・運用の考え方」https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/content/001474894.pdf / 国土交通省「管理業者の業務」https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/pm_portal/administrator_duties.html(2026年11月1日に確認)

この記事のまとめ

毎月の記録の残し方を、画面でお見せします

架空のデータの画面でご案内します。オーナーさまや入居者さまの情報が入った資料は送らないでください。

家賃の入金確認を、担当者の記憶だけに頼らない。通帳から入金消込、オーナー送金明細まで同じ数字で。仲介をしながら賃貸管理もしている会社の賃貸管理システムです。