管理会社のAI導入とは、入居者からの問い合わせの一次受け、通帳の読み取り、報告書の下書きなど、決まった形の仕事の一部をAIに手伝わせることです。AIには「候補」や「下書き」を出させ、金額の確定・契約・督促・退去の精算は人が決める形にすると、人手が少ない会社でも安心して使えます。入居者やオーナーの個人情報をどこまでAIに渡すかも、先に決めておきます。
人が採れない、苦情の電話で手が止まる、月末に残業が集まる。こうした悩みから、AIを入れたいという管理会社が増えています。一方で、AIの答えをそのまま入居者に送ったり、金額を確かめずに使ったりすると、かえって苦情が増えます。この記事は、AIに任せる範囲の分け方をまとめます。
AIに手伝わせやすい仕事
| 仕事 | AIがすること | 人がすること |
|---|---|---|
| 入居者の問い合わせ | よくある質問(ゴミの日・設備の使い方・手続きの書類)の回答案を作る(入居者に出す前に職員が確かめる) | 火災・水漏れなどの急ぎは、AIを通らない電話の経路を残す。苦情・契約の話は人が受ける |
| 入金の確認 | 通帳やネットバンクの明細を読み取り、集金名簿に当てる候補を出す | 候補を見て確定する |
| 報告書 | 月のできごとから、オーナーへの報告の下書きを作る | 読み直して直し、送る |
| 記録の整理 | 入居者とのやり取りを短くまとめる | まとめが合っているか確かめる |

人が決める仕事
- お金の確定:入金の消込・送金の金額・管理料(入金消込を楽にする方法)
- 契約と法律が関わること:重要事項の説明・契約の条件・更新と解約
- 督促:滞納の連絡の文面と順番(家賃滞納の督促の流れ)
- 退去の精算:原状回復の負担の分け方と金額(写真で進める退去立会い)
- 苦情への返事:気持ちが高ぶっている相手には、人が会社として返事をする(カスハラ対策)
個人情報の扱いを先に決める
入居者やオーナーの名前・口座・連絡先を外部の生成AIサービスに入れるときは、個人情報保護法の決まりに沿って扱います。個人情報保護委員会は、生成AIサービスの利用について、個人情報を入力するときの注意を公表しています。
- 外部の生成AIサービスに、通帳・口座番号・入居者との実際のやり取りを貼り付けない
- 利用目的の範囲か、入力が学習に使われないか、提供に本人の同意が要るかを確かめるまでは、架空のデータで試す
- 管理システムの台帳に入れる情報は、自社の利用目的の範囲で扱う
- 入居者に、問い合わせにAIが答えることがあると知らせる
- AIの答えに誤りがありうることを前提に、人が確かめる所を決める
出典:個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について」https://www.ppc.go.jp/news/careful_information/230602_AI_utilize_alert/
小さく始める順番
- 台帳を1つにする:AIが正しく答えるには、物件・部屋・入居者の情報がそろっていることが先です(Excelからシステムへ移す手順)
- よくある質問を10個書き出す:入居者からの電話で多いものから
- AIの答えを社内で試す:入居者に出す前に、職員が質問して答えを確かめる
- 人に代わる線を決める:急ぎ・苦情・お金・契約の話は人へ
OWNER LINK でいま使えるのは、ログイン、オーナー・物件・部屋・入居者の台帳、書類の保管、会社の追加です。入金消込(通帳の読み取りを含む)・送金明細・公式LINEとAI・退去・オーナーレポートは開発中で、順に公開します。相談では、いま使える機能と開発中の機能を分けてご案内します。デジタル化・AI導入補助金のITツールとしては登録していません(2026年10月時点・補助金の記事)。
よくある質問
AIに入居者の問い合わせを全部任せられますか?
おすすめしません。まずは職員が確かめる回答案から始めます。火災・水漏れなどの急ぎは、AIを通らずに人へ届く経路を残し、苦情・お金・契約の話は人が受けます。
AIで人を減らせますか?
減る時間は、会社の物件の数や今のやり方で変わります。まずは、入金の確認や報告書の下書きなど、毎月同じ形の仕事の時間を数え、AIの候補や下書きでどれだけ短くなるかを確かめます。
入居者の個人情報をAIに入れても大丈夫ですか?
外部の生成AIサービスには、通帳・口座番号・入居者との実際のやり取りを貼り付けないでください。利用目的の範囲か、学習に使われないか、提供に本人の同意が要るかを確かめるまでは、架空のデータで試します。個人情報保護委員会の注意喚起も確かめてください。
- AIには、問い合わせの回答案・入金の候補・報告書の下書きを手伝わせ、人が確かめる
- お金の確定・契約・督促・退去の精算・苦情への返事は人が決める
- 個人情報の入れ方を先に決め、台帳をそろえてから小さく始める
AIに任せる範囲を、ご一緒に決めます
架空のデータの画面でご案内します。入居者さまやオーナーさまの情報が入った資料は送らないでください。


